明けて次の日は、


正月元旦。




何処の家でも賑やかに、




正月を・・祝っておった。







その日福蔵は・・・




神棚の埃(ほこり)を払い、




お神酒徳利には酒の代わりに
水を入れ・・・


形ばかりの注連(しめ)飾りを


巻いた石臼を・・・


神棚の下に運んだ。








「神様には申し訳ねぇけんど、



「おらにはこれしか供える
物はねぇ・・・」







「どうか勘弁してー・・下せぇ。」






パン、パン!







「・・・。」






ゴロゴロゴロ・・・





福蔵は・・・重い石臼をゴロゴロ
ゴロゴロひきながら・・・





今年の・・・


無病息災を、祈った。。






ゴロゴロゴロゴロ・・・







「しかしー・・・臼で挽く粉みてえに
銭がごろごろ出おったら、



どんなにかええじゃろうのぉー。」






「なーあ、神様♪」





「・・もしそうなったら神様にも
米やら餅やらいくらでも供え
させてもらうでー、ええことが
ありますように・・・!」












その夜のこと。福蔵は、






奇妙な夢を見た。





























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