「実はなぁ・・・?他でもない・・。
今までやってきた元締めの役を、
誰かに譲りたいのじゃ・・。」











「ええっ?」







「何と・・・!」







「・・・えっ!」







「・・!」







「ええーっ?」








「んんーっ?」










「冗談はやめて下せぇ。
あんたに辞められたら、河童仲間の
統制がとれやせん・・・。」







「元締め・・・あんたのお陰で、
河童の世界も丸く収まっていると
いうものを・・・・。」







「いってぇーどうして辞めなさるのか、
わけを話して・・おくんなせぇ。」









「それはそうですねぇー。
わけを言わずに辞めたいなんて言っても、
聞いてはくれないだろうね。」







「実は・・・あれはたいそう晴れた
うららかな日のことじゃった。」














「確か・・・土手ー、中谷の辺りの
原っぱだった。」




「馬が一頭、くいに繋がれて
草を食ってた・・。」








「そばを見れば・・・

気持ち良さそうに大の字になって
馬主の若者が寝ておった・・。」











「しめしめ・・・今のうちに馬を水の中に
引き込んで尻コ玉を頂戴しようかい。」




















































































「それぇぃっ!」





ヒヒヒィィィィーン!!!































































「あれぇ・・・おかしいぞ?
大概のくいなら馬の尻尾を引っこ抜いて
暴れる拍子に抜けるもんだがなぁ・・・」







「それにしてもあの野郎も図太く、
よく寝てやがる。」







「よしよしもう一丁馬を脅かしてやるか。」










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