あぶないあぶない
159 名前: 長レススマソ 投稿日: 02/09/02 23:45
ある村に、夜な夜な「あぶないあぶない」と言ってもの凄い速さで走るお婆さん(妖怪?)が現れるようになった。
村人達は怖がり、夜になるとすぐに戸を閉め明かりを消すようになった。
村人の目撃者談
「わしが見たのは、山のように大きな婆さんでした。大きな音を立ててのっしのっしと歩いていました」
「えぇ〜もう、おらびっくりしましただぁ・・・・お岩さんのようなお婆さんが杖をついて走っていました・・・・
確かでっかい角が2本生えていたと思います・・・」
「わすが見たのは、米粒みたいに小さい婆さんでした。
ひねり潰してやろうと指を出したら噛み付かれましてね。これがそんときの傷です、ほれこの通り。」
「あぁ、ありゃ化けもんじゃ、なんまんだぶ、なんまんだぶ。二つの目玉ピカピカ光らせて夜中の街道めっちゃくっちゃに走るんじゃからもう・・・」
(↑ 要するに村人の目撃もバラバラで、婆さんの正体そのものが謎)
ついに、村人の中の2人の兄弟が婆さんを退治しようと夜中に出かける。
(兄の名は太助、弟の名は佐助。太助は婆さんを退治したら庄屋から褒美が貰えるだろうという打算から。
佐助はただ兄貴と一緒にいるのが好きなので)
2人が道の脇で待ち構えていると遠くから「あぶないあぶない」と言う声が聞こえてきた。
びゅううううううううううううん・・・・
2人が持っていた棒を振り落とす前に何者かがもの凄い勢いで通り過ぎる。遠くで「あぶないあぶない」の声。
再び「あぶないあぶない」という声が近づいて来る。
びゅううううううううううううん・・・・
やはり2人はあぶない婆さんに手も足も出せない。
待ち構えるのは得策ではないと見た太助はあぶない婆さんを追いかける。佐助もそれに続く。
2人があぶない婆さんを見失ってしまい、途方にくれていると急に ボンッ! という音とともに婆さんが現れ、
「あ〜ぶないあぶないあぶない。 べ〜」 (←最後のは2人にあっかんべーをする)
キれた太助は再びあぶない婆さんを追いかける。しかし佐助はスタミナが切れでもう走れない。
太助は山の頂上まで婆さんを追い詰める。
が、ボンッという音とともに婆さんは消えてしまう。
太助が婆さんが消えた場所から下を見ると、何か光っている。
下りてみると壷が崖から今にも落っこちそうな状態で置いてあった。
壷の中にはたくさんの小判が。
太助は、誰も見ていないのをいいことに小判を独り占めにする。
一気に大金持ちになった太助、毎日酒宴を開く贅沢な日々を送るも、ついには財も底をつき体も壊してしまう。
一方、なんとか山の頂上まで歩いて辿り着いた佐助、婆さんも太助もいないのでどうしたものかと周囲をうろうろ。
ふと見ると、崖が何か光っている。 (←壷の置いてあった場所)
佐助、下りてみて崖のところを手で掘ってみる。すると水が勢いよく湧き出してきた。
水はその後もとどまることなく出続け、村を潤し、村は豊かになった。
佐助はお嫁さんを貰い、子宝にも恵まれて幸せな日々を送ったとさ。
ちなみに、あぶない婆さんはその後現れることもなかったそうな。
(END)
出典:2ちゃんねる懐かしアニメ板 『「まんが日本昔話」ってどうよ?』スレより転載