ドボンガボン

173 名前: ぼたもち大好き投稿日: 02/09/06 02:29

俺のお気に入りは『ドボンガボン』という話。

昔々ある所におじいさんとおばあさんがいて、久しぶりにぼたもちを食べようとしている所へ
旅のお坊さんが押し掛けてくる。

「今晩、泊めてもらえんかのォ〜」

おじいさんとおばあさんはぼたもちを隠してお坊さんにはお粥を食べさせ、
夜になってからお坊さんに隠れてぼたもちを食べようと相談する。

「じいさんの足に紐をくくりつけて、その時になったらおらが引っ張るから、必ず起きるだぞ!」
「承知した。」とおじいさん。

ところが、おばあさんがいざ紐を引っ張ると、その紐がおじいさんではなく
お坊さんの足に結び替えられていた。

おばあさんは暗闇の中なので相手の顔がわからず、お坊さんにぼたもちを渡してしまう。

その時、おじいさんが布団の中で叫んだ。

「はぁぁ〜?なんで坊さんがおらのぼたもちを食うんじゃあ〜!」

布団の中から跳ね起きて、お坊さんにとびかかるおじいさん。
「おらのぼたもち返せ!」
「うわあああ〜っ!」
「おらのぼたもち返せ!」
「うわあああ〜っ!」

お坊さんは、家の外へ飛び出し逃げて行った。 その後を追うおじいさん。

「待てェ〜っ、ぼたもちドロボウ〜ッ!」

お坊さんは逃げながらぼたもちを食べてしまい、山奥にまで逃げて行ってしまう。
それを追いかけて行くおじいさん。

(老人の体力で若いお坊さんにそこまで追いすがって行けるというのは不自然な気もするが、
それほどまでお楽しみのぼたもちを横取りされてしまったことに腹が立ったのだろう。)

お坊さんは山奥の墓場へ逃げ込むが、おじいさんは投げ縄でお坊さんを捕まえる。

「坊主のくせしてぼたもちを盗み食いするとは・・・ええか、覚悟しとけよ!」

おじいさんはお坊さんを縄で縛って古井戸の中へ逆さまに突っ込んだ。
「どうじゃ〜、井戸の中にドボンされてもぼたもちが食いたいかァ〜!
それとも素直に謝ればこうしてガボンしてやるぞ!
ドボンがええか!ガボンがええか!
ドボンか、ガボンか・・・」」


「ドボン、ガボン、ドボン、ガボン・・・」

そう言いながら、お坊さんの姿は井戸の中で卒塔婆に変身してしまう。

それを見たおじいさんは悲鳴をあげる。
「わあああ〜っ、うわあああああ〜っ!」


そこで目が覚めた。夢だったのだ。
すべてはおじいさんの「他人を疑う醜い心」から生まれた悪夢だったのだ。

(END)


出典:2ちゃんねる懐かしアニメ板 『「まんが日本昔話」ってどうよ?』スレより転載

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