59 名前: ミステリ板住人投稿日: 01/09/08 20:31 ID:UbW1B/l6


女房に先立たれた猟師が赤ん坊と犬と一緒に暮らしておった。


やがて、村を飢饉がおそう。腹を空かせて泣く赤ん坊。
猟師は犬に留守の間、赤ん坊を守ってくれるように託し食料を探しに出かける。


猟師が帰宅してみると・・・
赤ん坊の姿が見えず、犬が口から血をしたたらせてうなり声をあげている。

「お前、赤を食うてしまったんか!」
激しい怒りにかられる猟師。猟銃が犬に向かって火を吹く!
崩れ落ちるように倒れる飼い犬。

その時、銃声に驚いたのか赤ん坊の泣き声が土間の下から聞こえてきた。
そして血まみれの狼の死骸も見つかる。


犬の口から滴り落ちていたのは狼の血だったのだ。
犬は赤ん坊を守るために狼と死闘を繰り広げ倒したのだった。

男はその後猟師をやめ、「ワシは犬にも劣る人間じゃ」と言いつづけていたそうな


射殺された犬も哀れだが、
愛犬を信じられず子供を守ってくれたのに射殺してしまった、
男の心中もいかばかりかのものがあろう。
全く救いの無いトラウマたっぷりの話しじゃった。



出典:2ちゃんねるアニメ板『まんが日本昔話/世界昔話/日本絵巻を語ってみよう』スレより転載

                         戻る