牛鬼淵
(誠に勝手ながら、放送された作品の内容と異なる記述は省略させて頂きました。)
132 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:04/02/24 16:15
山奥の小屋に年をとった木こりと若い木こりが泊まり込みで木の伐り出しをしている。
その夜、年をとった木こりと若い木こりが小屋の中で話をしていると、
小屋の戸が一寸ばかり開いて、暗闇から声が聞こえてきた。
年長者は「この32枚目の刃は鬼刃っちゅうて、鬼が出てきたらひき殺すんじゃよ」と
のこぎりの刃を見せて話すとそのまま去っていった。
若い木こりは震え上がりながら聞いていた。
(補足:その日から毎晩男はやってくるが、その度に年取ったきこりが鬼刃を見せると去っていく)
あくる日年寄りの木こりと若い木こりが大きな木を切っていると、
木があまりにも堅かったので、のこぎりの鬼歯が折れてしまった。
既に日が傾きかけていたが、麓に降りてのこぎりを修理してもらわねば
ならなくなり、どちらか一人が山小屋で一晩すごすことになった。
年よりの木こりは、刃を直してもらいに山を降りる。
夜、若いほうの木こりが一人で、酒を飲んでいると、
あの男がやはり、戸をすこうしだけ開けて覗きこんだ。
「おや・・・今夜はもう一人の木こりがいねえな・・・」
若い木こりはついうっかりと
「ああ、鬼刀がかけたで、ふもとに直しにいっただ」
そう言ってしまう。
「そうか・・・・鬼を引き裂くという鬼刃はないのか・・・・」
顔半分以上は決して、入ってくることのなかった男の影だけが
だんだんと大きくなっていく・・・・・
明け方、急いで帰ってきた年よりの木こりが、
近くの小川に若い木こりの服だけが浮かんでいるのを発見する。
はっとするきこり。
「あれほど、鬼刃が欠けたことは言うなと念を押したのに・・・。」
出典:2ちゃんねるオカルト板『★ まんが日本昔話 ★』スレより転載