わらび長者

(すずさんからメールで若干内容の補足をしていただきました。また、以前ねこまたさんからビデオをお送りいただいて
おりますので、ページに再現できます。ご覧になりたい方はご一報下さい。ねこまたさん、すずさん、有難うございました)


905 名前:(1/2) :02/10/15 17:32

タイトル失念したが・・・あらすじこんなの

昔、ある村にとても大きな権力を持った長者様がいた。
「うるさくて眠れない」というだけで毎年夜通しで開かれる村の夏祭りを中止にしたり、
かとおもえば真冬に「静かすぎて寂しい」と夏に中止にした夏祭りを吹雪の中、再開させたり・・・
とにかく自分の思い通りにならないことなど何一つなかった。

ある秋の日、長者は宴をひらく。
皆で楽しそうに歌ったり踊ったりしているのを 最初は黙って眺めているだけの長者だったが、
そのうち興奮してきたのか長者自ら舞を披露し始める・・・
時が過ぎ夕刻近くになり、「そろそろおひらき」という所になっても長者は踊り続けていた。


(自分のワラビ山でワラビ狩りをやって、 日暮までに全部ワラビを取れとか言ってて)
やがて日も沈み始めるが・・・その時 「ワシに思い通りにならないことなど無い」とでも思ったのか
長者は踊りながらこう呟く・・・

「夕日を返せ・・・夕日を返せ・・・」


舞の方も段々と狂気を帯びてきて、最初は一緒に踊っていた楽隊や他の人々も
次第に恐ろしくなり逃げ帰ってしまう・・・それでも長者は踊り続けた・・・。

するとどうだろう、驚いたことに沈みかけていた夕日が少しづつ戻ってきたのだ。

しかしそれでも長者は狂気の舞を止めない。「夕日を返せ・・・夕日を返せ・・・」



その時、長者の屋敷で不思議な事が起こる。長者が「夕日を返せ」と言うたびに
屋敷の倉が一つづつ消えていくのだ。夕日が戻るたびに倉はどんどん消えていき・・・

終いには屋敷が消えていった。

 そして最後に「ゆう・・・ひを・・・か・・えせ・・」と言うと長者の扇子がぱたと落ちた。



宴の場所には誰もいない・・・最後に消滅したのは長者自身であった・・・。


う・・・長い割にはあんまり怖くないな・・・当時は凄い怖かったんだけど・・・(w
あと、特筆すべきがこの長者が昔話によく出てくる「威張りくさった権力者」ではなく
ちょっと狂気を帯びた権力者というキャラクターであった事。
終始無表情で舞を踊るさまは、たまらなく怖かった。


出典:2ちゃんねるオカルト板 【懐かしい】アニメ日本昔話はオカルト満載【語れ】スレより転載

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