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やがて・・・ |
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もしかして桜の花を見れば、 |
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爺っちゃは元気になるかもしれねぇ、 |
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花を見せれば元気が出るかも
しれねぇ、と思い・・・ |
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太吉は何とか桜の花を |
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咲かすことは出来ないものかと、 |
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幼いなりに考えた。 |
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冷たく桜の枝に積もった雪を
ほうきで払い・・・ |
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根元の雪を取り除いてみた。 |
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そして少しでも暖かくしてやればと、
・・・・固いつぼみの芽に、息を吹き
かけたりしてみた。
「はぁーっ・・・・はぁーっ・・・・」
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「おねげえだ・・・。
はなーさかせてくれろ・・・。
そうでねえとおら・・・じっちゃんが
しんでしまうよぉ・・・。」 |
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「おまんまがくえなくなって
しまうよぉぉ・・・・・!」 |
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そんな太吉の祈る姿が・・・・
何日も続いた。。。 |
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じゃが・・・
桜の枝は・・雪の中で固いつぼみを、 |
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閉じたままであった・・・。 |
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そして・・・
ある日の朝のこと・・・・。 |