そんな、秋も深まったある日・・・。






日ごろとても元気そうに見えた
お爺さんが・・・






咳をしているうちに・・・・とうとう
寝込んでしもうた。。








「・・・桜の木はどうしたぁ・・・?」






「まだかれてねぇ・・・。」






「そうか・・・・・・・ゴホッ・・」




そうしてその年も暮れ・・・




新しい年を迎えたが・・・




・・お爺さんの容体はさっぱり
良くならず・・・ますます病は、
重くなっていった・・・。




山里のこと・・・。
医者に診てもらうことも出来ず・・




薬草を煎じて飲む位で、他に
手立ては無かった・・・。







「ゴホッ・・・ゴホ・・・」






パチ・・・パチパチ・・・




「・・・じっちゃんはしんじまうん
じゃろうか・・?」





「じっちゃんがしんだらおらぁ
どうしよう・・・。」





「めしはどうしよう・・・

めしくわなきゃおらしんじまう。。

それによるひとりでねるのは、
おっかねぇ・・。ぐすっ・・・

それに・・・それにー・・・」







太吉は囲炉裏の火を見つめていると、






次々と色んなことが浮かんできて・・・






寂しさで胸が一杯になった・・・。












太吉は今日も・・・




雪の中の桜をじっと見ていた・・・。










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