「よかった・・!!じっちゃん、
おら・・・ひぐっ・・・がけから
おっこちたとおもったよ!

うわああぁぁぁぁん!!」







「これーこれー、泣くんじゃねえ。」




「これー位の風で、爺っちゃが
吹き飛ばされるもんか。」




「わあああぁぁぁぁーん!!」



「ハッハッハッハッ!」








一泣きした後(のち)・・・




太吉は山を降りる爺さまの
背に揺られながら、




眠るのじゃった・・・。











こうして手に入れた桜の枝木は、








・・・お爺さんの・・・植木畑に、
植えられた。



「じっちゃん!さくらのき、けさも
まだかれてないよ♪」






「ゴホッ・・ゴホ・・・・
ん。当たり前じゃ。」




「枯れねぇように丹精して
いるんじゃ。」




「じゃぁーはるになったら、
はながさくねぇー♪」




「ああ無論じゃー・・。そいつも
とびっきり綺麗なやつがなぁ。


・・あの崖の親木に負けねえ
ようなのがなぁ。」





「ふーん・・・」




「ゴホッ・・・ゴホゴホッ・・・」










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