魚の重みと大波をかぶって

佐吉の舟は沈んでしもうた。






「佐吉ー!」





「太兵衛ー!!」















「助けてくれ!

・・わしの舟は沈んでしもうた。






「お前の舟に乗せてくれっ!」








「佐吉、わしの舟に乗せてやる
かわりに・・・」




「ヨネをわしに・・・譲ってくれるか?」










「太兵衛、何を言う・・・!
それとこれとは話が別じゃぞー!」










「くっ・・・・ならぁ、勝手に泳いで、
帰れーっ!」










「太兵衛!



「っぷ!くっ・・」



「おめぇ、汚ねぇぞ・・・!
人の災難につけこんで・・っ!」

















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