紙縒りの火が先に消えた者が・・・





一人で天守閣に登る・・・!





いいな・・・?












三人の宿直(とのい)の侍は・・・





おのおのチョロチョロと燃える
紙縒りをかざし・・・





消えぬようにと願いました・・。















ザァァー・・・


ピカッ!ゴロゴロゴロゴロ・・・!!






ヒュウウゥゥー・・・!!





「ひぃー・・・っ!!
拙者のが消えるぞー・・・っ!!」



























「ひいぃーっ・・!!」



「嫌じゃ嫌じゃ!わしは行かぬぞ!」



「妖怪が棲むという天守など、
絶対に行かぬぞぉーっ!!!」







「勘弁してくれ・・・っ!!
妖怪はご免じゃぁ・・・!」







「やめにしよう・・・・」












「三人の内誰が行くにしろ・・・・
天守に登って・・・万が一何かが
起きたら、上からお咎めがある。」












「やめじゃ・・・やめじゃ・・!」



























「わたくしが参ります。」








と、立ち上がったのは・・・







先程から三人の話を聞いていた、
年端も行かぬ・・

森田図書(もりたずしょ)という
若者でした。












「わたくしが天守閣まで行ってきましょう。」










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